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文部科学省が先月、小中学校への携帯電話持ち込みを… /京都
  (2009年2月11日 毎日新聞 URL
 
文部科学省が先月、小中学校への携帯電話持ち込みを原則禁止すべきとする指針を、都道府県教育委員会に通知した。確かに有害サイトは危険だし、ネットいじめは深刻だ。だが、同時に、電磁波と健康の関係がふと気になった。電磁波により体調不良に陥り、不登校になった子供の話を聞いたことがある。信ぴょう性の高さはさておき、海外では電磁波が子供のがん発症率を数倍高めるという研究結果も出ているらしい。リスクの可能性があれば対策をとるという発想は不可欠だろう。私自身、携帯を頻繁に使用するが、本当に影響がないと言い切れるのか。目に見えないからこそ注視していきたいと思った。

毎日新聞の京都版からの記事です。小中学校への携帯電話持ち込みの禁止は歓迎すべきニュースです。ただ、文部科学省は電磁波の身体影響の側面もきちんと考慮してもらいたいところ。お子さんと電磁波の関係についての科学的究明と、予防原則にのっとった対応という「両輪」を行政側には熟慮していただくことを期待します。
   
電磁波の危険性
  (2008年12月24日 エコロジーシンフォニー URL
 
(・・・)こうして改めてボクたちのまわりを見渡してみると、電化製品は増えるばかりというのが実際のところじゃないかな。例えば、最近設置する人が増えているオール電化キッチンの「IH調理器」。火を使わないから安全だっていわれているけれど、実はたくさんの電磁波を発生させている調理器具なんだ。IH調理器を設置したことで、吐き気や頭痛、不眠などの症状が出て、電磁波過敏症になった人も中にはいるそうだよ。

また、多くの人が持っている携帯電話もこわい存在なんだ。例えば、携帯をよく当てる側の頭には脳腫瘍が起きやすい、胸のポケットに入れっぱなしにしておくと心臓病や乳がん発症の危険性が高まる、さらに、耳鳴りや頭痛、花粉症、皮膚炎、めまい、目のかすみなどさまざまな症状を引き起こす可能性もあるんだって。

特に、子どもの脳は成熟過程であり、大人より電磁波を吸収しやすいって言われているから注意が必要なんだ。日本では安易に子どもに携帯電話を持たせる親が多いけれど、子どもの携帯使用についてはもっとじっくり家族で考えた方がいいね。ボクのママも携帯で少し長電話をすると、頭が重いとよく言っているよ。

こんなふうにいろいろな危険性があるといわれている電磁波だけど、実際のところ電化製品と無縁で過ごすのは難しいよね。だから電磁波対策としては、電化製品とうまくつきあっていくことが大切だといえるんだ。まず、電磁波は発生源から離れればその影響はグンと少なくなるから、電化製品を使うときはできるだけ体から遠ざけるようにしよう。例えば、携帯電話は耳から少し話してしゃべったり、イヤホンマイクを使ったりするといいよ。

また、電磁波をカットする電磁波対策グッズなどを使って、電磁波の影響を極力受けないように工夫するのもいいね。例えば、電子レンジやテレビについては、電磁波をカットする吸収シートが市販されているから使ってみて。パソコンをずっと使う妊婦さんは、電磁波をカットするエプロンなんかを使うとお腹の赤ちゃんのためにもいいよ。後は、使わない電化製品の電源は極力オフにしたり、そもそもそれほど必要でないならば、電化製品に頼らない暮らし方にするのが一番だね。

ということで、電磁波がいかに危険なものであるかがわかったかな。僕は初めてこの話を聞いたときにすごくビックリしちゃったよ。電磁波がこんなにこわいものだとは知らなかったからね。電磁波と健康被害の因果関係がまだはっきりしないということで、対策が難しいところもあるけれど、今回紹介した方法を参考に電化製品とうまく付き合って、電磁波から身を守るように気をつけよう。

環境情報を総合的に発信するオンラインマガジン「エコロジーシンフォニー」の新着記事がこちらです。電磁波の危険性がとても分かりやすく解説されていますね。ただ、電磁波対策として挙げられている、電磁波吸収シートや電磁波カットエプロン。こちらの低減効果については若干疑問が残ります。その他の対策は参考になるでしょう。電化製品については、低電磁波を売りにする製品が少しづつ出てきているので、そういった製品へ買い替えるのもありかもしれませんね。
   
低レベル電磁界に関する情報提供拠点整備へ−センター、年内めどに発足
  (2008年8月6日 電気新聞 URL
 
送電線などの低レベル電磁界に関する情報を提供する「電磁界情報センター」が年内をめどに発足、活動を始める。最新の科学的知見や日常生活の曝露状況について、国民と双方向の情報提供を実施。不安や疑問を持つ国民の信頼醸成を目指した「リスクコミュニケーション」を活動の中心にすえる。将来は電力施設以外のものから発生する電磁界の情報提供、次世代層への学習機会の提供なども視野に入れる。外部有識者による運営委員会も設け、中立性を担保する。

同センターの設置は、総合資源エネルギー調査会(経産相の諮問機関)原子力安全・保安部会電力安全小委員会の電力設備電磁界対策ワーキンググループが、6月にまとめた報告書に盛り込まれた。

報告書の提言を受け、原子力安全・保安院が同センターの設置を検討。関係機関との協議の上、7月1日付で電気安全環境研究所(JET)内に「電磁界情報センター準備室」(室長=大久保千代次・明治薬科大大学院客員教授)を設置した。

同室は大久保室長のほか、JETと電力業界から各3人ずつで構成。9月からはさらに1人が加り、計8人で準備作業を進める。電磁界情報センターは同室の構成を引き継ぐ形で発足する。

同センターはインターネットなどを通じて過去や最新の知見を提供するとともに、メディアによる偏った情報の是正に努める。将来的には携帯電話など電力施設以外の電磁界情報の提供、学校の教員向けの講習など他省庁との連携も探る。磁界の測定方法が確立されれば、国民に測定器を貸し出すことも検討する。

情報の中立性を担保するため、同センターに助言や提案を行う外部の運営委員会を設立する。現在は同センター設立前の発足を目指し、規約を作成している段階。同センター自身も独立性を担保するため、運営は賛助会費で賄う。会員は今後募る予定で、大久保室長は「電磁界と関係の深い電力業界には幅広く協力していただきたい」と話している。

電力施設から出る超低周波電磁界の健康への影響を巡っては、世界保健機関(WHO)が「不確かさ」を提言することを各国に推奨しているのみで、明確な因果関係を立証する証拠は弱いのが実情。ただ、不正確な報道に基づく誤解や性別、年齢などによるリスク認知の差による余分な不安が発生する可能性もあり、公平で双方向の情報提供が求められていた。

海外では欧州連合(EU)に高周波に関する情報を提供する組織があるほか、米国やカナダに体験型の学習施設がある。超低周波を含め、電磁界に関する情報を一元的に扱う日本のケースは極めてまれだ。

経済産業省のワーキンググループによる消極的な報告には、ちょっとがっかりしていました。とはいえ、そこでの答申に沿った、客観的な情報提供の必要性は「ごもっとも」。今年も残り少ないですが、年内のセンター設立ということで、期待したいところではあります。ただし、問題点もちらほら。電機メーカーや電力会社との連携はいいのですが、業界団体が中心と目される「電磁界情報センター準備室」の存在にはちょっと疑問が残ります。準備室がちゃんと役割を果たし、今後設立される電磁界情報センターが、電磁波の健康影響をきちんとていねいに、中立的に説明してくれることを期待したいですね。
   
川西のドコモ公害問題:「電磁波公害なくす会」、「健康状態が改善」と解散 /兵庫
  (2008年6月14日 毎日新聞 URL
 
川西市の一部住民が、「携帯電話の基地局が健康被害を与えている」と訴えていた問題で、住民らでつくる「電磁波公害をなくす会」(山路須美子代表)は「撤去後、健康状態が改善した」として14日、会の解散式をすることになった。NTTドコモ関西(大阪市)が今年4月、基地局を撤去していた。

同社は05年12月、阪急バスのターミナルの土地を借りて基地局を建設。約200メートル以内に住む住民の一部から、頭痛や耳鳴り、こむらがえり、高血圧などさまざまな症状の訴えが出た。住民らは会を結成し、8家族の10人が大阪簡裁に公害調停を申請した。ドコモ関西は、電磁波と健康被害の因果関係を認めなかったが、地主の阪急バスが土地賃貸契約解除の意向を示したため、基地局撤去を決定。4月3日に運用を停止し、アンテナ自体も撤去した。同会によると、これに伴い、すべての人の症状が改善したという。

携帯基地局の電磁波の悪影響は科学的に解明されていない。しかし、4月以降、吐き気がなくなったという50歳代の男性(3人暮らし)は「将来にわたって絶対に安全だという保証もない。私自身、仕事で携帯を手放せないが、それでも万が一を防ぐため、基地局は住宅地から離して建てるというような現実的な対策を考えるべきだ」と主張する。山路代表は「頑張って運動して良かったが、同じ問題で苦しんでいる人が全国にいる。私たちの経験が役に立つならうれしい」と話している。

これは喜ばしいニュースです。とりわけ興味深いのは、電磁波が発生している基地局を撤去したことで、周辺住民の健康状態が回復したとされていること。頭痛、吐き気、耳鳴り、高血圧、こむらがえりといった症状がなくなっているそう。これは、電磁波の被害があったことを示す「証拠」となりえるのではないでしょうか。

日本国内には携帯電話の基地局が11万局以上(!)あります。そして、全国各地で川西市のようなトラブルが報告され、いくつかのケースでは反対運動が盛り上がっている状況です。電磁波なびは今後も携帯電話事業者の建設動向に注目していきます。そして、みなさんも今回のニュースを機に、自分のお家の基地局を調べてみてはいかがでしょうか。
   
モバイルサービスの提供側と利用者側が本音で語り合う場を
  (2008年2月19日 WIRED VISION URL
 
(・・・)いつしか効率を優先する社会となり(これ自体にはあまり賛成していないが)、掛かってくる電話をどんな状況でも優先したいという人が少なからず居るはずだ。一方で電話はうるさいと考える人も居るであろうから、それならば「分電」という考え方があっても良いのではなかろうかと考えたのだった。これは一つの考え方として、読者の皆様にも議論を投げかけたかったのである。

 ちなみに、ご指摘いただいた内容で「電磁波は本当に安全なのか」という話題も出てきた。この話もかなり微妙な問題ではあるが、あえて私なりの考えを示させていただくとすれば、「生体影響」という観点からは「必ずしも白ではない」と思っている。ただし、これは長期的に健康影響を調査研究していくしかない。ケータイが普及し出してまだわずか10年足らず、今後の疫学的調査研究が重要になると思っている。

 残念ながら日本では、ケータイの要素技術の研究(通信技術の研究など)は各所で積極的に行われているものの、ケータイの影響(人体、社会、経済などあらゆる分野に影響を与えるものと認識している)について本格的に調査研究に取り組む研究者は少ない。筆者も一研究者として、ぜひこの「ケータイの影響」や「ケータイの応用」については積極的に取り組んで行く予定であるし、また一緒にケータイの諸問題を扱ってくださる研究者の仲間を増やしていきたいと考える。

 昨年2月、特定非営利活動法人モバイル学会(私も理事として参画している)が立ち上がったが、ぜひこのような学会を通じ、ケータイを取り巻くさまざまな問題を、研究者、市民レベルで考える場を作って行ければと考えている。このモバイル学会では毎年シンポジウムを開催しているが、本年は7月3日(木)〜4日(金)の2日間、東京・江東区の(独)産業技術総合研究所 臨海副都心センター別館でシンポジウムを開催予定である。(・・・)

WIRED VISIONに掲載された「木暮祐一の『ケータイ開国論』」からの抜粋です。筆者(木暮祐一さん)の述べることはもっともですねえ。携帯通信事業者は、携帯通信機器が悪影響を与えるかもしれない研究に対して、ものすごく「および腰」です。企業のご都合があるために日本の電磁波対策が各国にくらべて出遅れているといっても過言ではありません。

木暮祐一さんは「今後の疫学的調査研究が重要になる」とおっしゃっていただいてますが、疫学研究を重視している企業が少ないのは考えものです。とくに一般利用者を相手に商売している通信事業者が、一般利用者の(長期にわたる)統計情報を重視しないというのはどういうことなんでしょ。なんとか打開したいところです。
   
電磁波の健康影響と法整備
  (2007年8月17日 消費者リポート第1376、1377合併号 URL
 
経済産業省は2007年4月25日、総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会電力安全小委員階に「電力設備電磁界対策ワーキンググループ」を設置しました。設置の理由は「送電線などの電力設備から発生する電磁界の一般公衆に与える健康影響を対象として、国内外の研究、国際的な規制の状況、WHOの環境保健基準等を踏まえた規制のあり方、講ずべき対策等について検討する」ためとしています。現在、日本に電磁界(場)の磁場(界)規制は一切ありません。ところが、WHO(世界保健機関)が2007年6月中に50ヘルツ、60ヘルツの電力周波数を中心とした極低周波(超低周波)分野の新しい「環境保健基準」を発表することが確実になり、「磁場と小児白血病の関連は否定できない」「電磁場曝露低減のため予防的方法の採用は理にかなっており正当である」とする内容であることを事前に知ったため、経産省が先手を打ったのが、今回のワーキンググループ発足の舞台裏です。(・・・)

NPO団体である日本消費者連盟が、同団体発行の冊子「消費者リポート第1376、1377合併号 2007年8月17日号」に、「電磁波の健康影響と法整備」という特集記事を掲載しました(PDFファイルはこちら)。上記記事では、「経産省に設置された電力設備電磁界対策ワーキンググループの問題点」が指摘されています。同記事によれば、問題点は4つあります。

1. 市民団体など利害関係者が参加していない。
2. 磁場規制の対象を「電力設備」に限定している(電機製品、医療機器、交通機関は対象外)。
3. 会議開催回数が少ない(4回の開催で報告書作成)。
4. 磁場規制を検討するための前提となる詳細資料が少なすぎる。

複数の市民団体が経産省に対し、上記問題点について申し入れを行い、WHOの環境保健基準をふまえた予防策の導入をもとめています。直接電磁波の害を被っていない方々が、適当に今後の電磁波対策を決めていくのでは、堪ったものではありません。直接被害に遭われた当事者の意見にも耳を傾けたうえで、客観的かつ中立的な規制方針を提示していただくよう願う次第です。
   
電気にするか、ガスを選ぶか? IHキッチンやオール電化はよく検討してから決めたい
  (2007年7月25日 読売新聞 URL
 
先日、ガス漏れ予防の定期点検に来てくれたガス会社の人がこぼしていました。「○○○社の湯沸かし器事故などの影響で、ガスは危険だという不安が広がったのか、最近はキッチンをIHなど電気式の仕様にする人が増えています。キッチンだけでなく、家全体をオール電化住宅にする家庭も増え、ガスを選ぶ人は減る一方。ガス屋にとっては深刻な状況ですよ……」。思うに、ガスそのものが悪者なのでなく、高気密高断熱となった最近の住宅で、換気を十分せずにガス器具を使うと危険があるということを、もっと徹底して知ってもらえばよいのではないでしょうか。ところで私自身は、電力会社から供給される電気エネルギーに頼り過ぎる生活には抵抗があります。自家発電で電気を自給自足できるなら話は別ですが、現在の事情のまま、電力のみに頼るのはベストな選択と言い切れない気がするのです。理由は個人的に原発に賛成しかねるとか、電磁波の影響がないか心配など、幾つかあります。いずれにしろ電気だけでなく、供給されるエネルギーを一種類に限定して頼るのは危険です。地震など災害が起こってライフラインが切断された場合、その唯一のエネルギー供給が長らくストップしてしまうと、致命的だからです。

筆者はリビングジャーナリストの中島早苗さん。中島さんによれば、自宅のエネルギー資源を「電気エネルギーに頼り過ぎる」のは禁物。なぜなら、地震など災害が起きたときに、「唯一のエネルギー供給が長らくストップ」してしまうと「致命的」だから、というご判断です。賢明ですねー。ついつい電気に依存しがちな私たちの生活ですが、リスクを考えたときに、エネルギー供給は分散させた方がいいです。もちろん電磁波影響の心配もありますし・・・。
   
住まいの中で電磁波対策していますか?
  (2007年6月1日 株式会社リビング・デザインセンター URL
 
現代生活に溢れる電気は、暮らしを快適で便利にしてくれるものとして身近な存在です。大人も子どもも、家庭、学校、職場の屋内外で四六時中、さまざまな電気製品や通信機器、設備と接しています。このような状況と人体への影響を配慮して、海外では電磁波の規制が進み、住宅のなかでも対策が整備されています。日本では特別な規制はありませんが、化学物質過敏症の人が電磁波過敏症になる例も挙げられています。この展示では、電気の利便性という恩恵にあずかる現代生活のなかで電磁波の影響を少なくするために知っておきたいこと、その方法と対策を住まいづくりの視点から紹介します。

・・・ということで、2007年6月14日から同年10月2日の間、リビングデザインセンターにて電磁波影響を少なくするための展示イベントが開催されます。今回のイベントに象徴されるように、もはや住まいづくりにとって、電磁波というリスク要因を考えることは、不可欠になっています。ちなみに、会場は東京都新宿区にあるリビングデザインセンターOZONEの6階フロアだそうです。近隣のみなさまはぜひ!
   
リスクの有無より対策を:環境ルネサンス
  (2006年11月11日 読売新聞 URL
 
スイッチを押す。2、3分で、鍋の水がぐつぐつ沸騰し始めた。東京・西東京市の主婦(72)は、「火力は意外と強いし、使い方も簡単なの」と、台所の「IHクッキングヒーター」を操作してみせた。内部のコイルに電流を流し、磁力を発生させて鍋を加熱する仕組み。ほかの家電製品より強い電磁波を出す。メーカーによって異なるが、2004年度の国立環境研究所の調査では、調理器から10センチで3.9〜89μT(マイクロ・テスラ)、30センチで0.7〜11.3μTだった。国民生活センターには5年前から、IHクッキングヒーターに関する問い合わせが計421件寄せられた。このうち、体調不良を訴えた事例が27件。「使用後に目まいを感じ、4日間入院した」「血圧が上昇し、耳の付け根が痛くなる」などの相談があった。暮しの手帖誌が3年前、IHクッキングヒーターの電磁波を取り上げた特集は反響を呼び、特集を収録した小冊子150万部が刷られた。

2006年11月、読売新聞の環境特集「環境ルネサンス」に、計5回にわたり電磁波関連の特集記事が連載されました。上記に引用した第5回の記事では、IHの危険性が再度報告されています。目まい、血圧の上昇・・・。国民生活センターには、多数の問い合わせが寄せられています。気になるのは、日本国内での電磁波対策の遅れ。英国をはじめ欧州は、80年代に科学的知見が不十分なまま牛肉の安全性を強調し、健康被害を拡大させました。この反省から、電磁波に関しても、具体的な対策を行っているのに対して、日本国内では、電磁波についての意識がとても低いといわざるをえません。「絶対の安全は存在しない。だからこそ電磁波対策をいそがなければならない」という切実なメッセージで、連載の幕は閉じられています。
   
国民生活センター、IHクッキングヒーターの安全性などを調査
  (2006年5月11日 新建新聞社「新建ハウジングWEB」 URL
 
国民生活センターは、ビルトイン型のIHクッキングヒーター6銘柄について、揚げ物調理時やフライパン予熱時の温度制御、空焚き状態の異常検知などの安全性を調べた。最大火力でフライパンの予熱を行うと、わずか1〜2分で底の温度が600度に達するものもあり、油を注いでから予熱すると発火することもあった。また、空焚き状態になると、鍋底がリング状に赤熱するまで運転を続けたものもあった。また、オールメタル対応のものは、アルミや銅の鍋も加熱できたが、ステンレス鍋に比べて火力や熱効率が劣り、湯沸かし時間が2倍以上かかった。また、消費者からの問い合せが多い電磁波の強度も調べた。測定結果は、健康影響について確立されている曝露制限についての国際的な指針であるICNIRPのガイドラインを満たしていた。

国民生活センターがIHの危険性を実地調査しました。IHの使用に、警鐘が鳴らされています。詳しい情報はこちら。同調査は出荷数量の多い、ビルトイン型6銘柄を対象としたもの。結論として、発煙・発火の可能性ありです。オールメタル対応のIHも、使用中に鍋に浮力が生じ動いたり、トッププレートの温度が高温になったり、とずいぶんと不穏なご様子。国民生活センターは、2004年3月にも発煙・発火の危険ありと指摘していました。いやはや・・・またもです。でも、気になる電磁波の方は、ICNIRPのガイドラインを満たしているとのこと。ちょっと安心・・・と思いきや、それは30センチ離れた位置で利用すれば安全かもしれないというお話。30センチも離れてお料理する? 接近すると・・・もっと電磁波は強くでているんです。お子さんの頭にも近い位置だし。結局、IHの安全性に心配ごとはつきませんでした。
   
携帯電話の基地局のアンテナについて
  (2006年2月24日 読売新聞 URL
 
私たちの生活に欠かせなくなった携帯電話ですが、普及しはじめてから10年程度、今までは基地局も無秩序に設置されてきたようです。今後も携帯電話はさらに進化し普及していくことでしょう。これまでは法の整備も十分とは言えず、中継基地局のアンテナ建設にめぐるトラブルも起きているようです。基地局の建設をめぐり、アメリカでは住民側の反対で85パーセントが難航しているのに対し、日本では反対運動が起きているのは10パーセント程度という情報もあります。(・・・)電磁波の安全性については、今までも取り沙汰されており、身近なところではテレビ、電子レンジ、電磁調理器、パソコン、携帯電話などがあります。その影響を調べている「世界保健機関(WHO)」は、電磁波対策の必要性や、具体策を明記した「環境保健基準」をまとめ、初の本格的国際基準を今秋に発表します。今まで、日本政府は「健康被害との因果関係が認められない」としていましたが、今後整備されてくることと思います。

今年の秋に、WHOが電磁波対策を明記した「環境保健基準」を発表の予定。これは、とても喜ばしいニュースです。いままで、あまりにも無責任に建設が進められてきた携帯基地局の問題も、WHOをふくめた国際社会の動向によって、事態が住民の意向に沿った形で好転する可能性があります。科学技術や産業技術の振興に力を注いできた日本の行政も、これを機に、ひとりひとりの健康に配慮した予防的施策を講じてくれるよう期待したいですね!
   
IH調理器の電磁波は大丈夫?
  (2005年11月12日 毎日新聞社 URL
 
市民団体「ガウスネット・電磁波問題全国ネットワーク」(本部・東京)は、独自測定で「IH調理器に10〜20センチまで近づいた場合には、ガイドラインを超える値を測定した」という結果を示し、IH調理器を使わないよう消費者に呼びかけている。この測定結果について、ガイドライン作りに携わった首都大学東京・都市教養学部の多氣昌生教授は「IH調理器からの電磁波は不均一に出ているので、我々の独自調査でも調理器から5センチの所で160ミリガウスを記録したことはある」という。その上で「それは調理器のコイルに近い限られた部分から発する電磁波で、その場合も体全体に流れる電流は、安全の目安となる40ミリアンペアの10分の1程度。影響を考える際に大事なのは、体全体に流れる電流の量です」と説明する。

電磁波ガイドラインを策定した、首都大学東京の多氣教授によれば「たばこや食生活などと比べれば、注意する優先順位はかなり低いと思う」との弁。少しホッとする結果ではありますね。しかし、「体全体に流れる電流の量」が重要であれば、その量がどれくらいであれば安全なのでしょうか。メーカーはその量を情報公開しているのでしょうか。そもそもガイドラインを策定した当事者であれば、重要とされる「体全体に流れる電流の量」をガイドラインに含めるべきでしょう。基準があいまい。ちょっと釈然としないですね。
   
携帯基地局の無秩序設置「予防原則」確立急げ
  (2005年5月13日 毎日新聞社 URL
 
動画のやり取りができる第3世代携帯電話(3G)の普及に伴い、思わぬ問題が起きている。基地局から放射される3Gのマイクロ波は自然界にない電磁波で健康被害への懸念が広がり、一方で基地局が住宅地周辺に無秩序に増え続け、携帯電話会社と住民との間のトラブルが全国で多発しているのだ。 取材を進めると、携帯電話会社が突然、住宅地のど真ん中に基地局を設置するケースが全国的に増えており、設置にあたって総務省見解が「支え」になっていることが分かった。国内でも実際に健康被害を訴える人たちが出始めている。しかし国は、これらの報告があるのに、国内で本格的な疫学調査すらまだ実施していない。危険性のあるものに対してあらかじめ、できるだけ回避の努力をする「予防原則」という言葉がある。携帯電話は今や現代人にとって欠かせないツール。だからこそ、予防原則の視点に立って一刻も早く、市民の健康を守り安心できるルール作りを進めることが必要だと思う。

毎日新聞編集制作センターの千葉修平記者によるコラムです。以前紹介した毎日新聞社の記事(こちら)に附随してのものでしょう。千葉氏は電磁波過敏症に対する国の姿勢を「科学的メカニズムの解明」を建前に、対策や判断を先延ばしにした(水俣病などの)公害問題と同じ構造だと指摘しています。国や企業が「原因が証明されていないから、対策が取れない」との姿勢で問題解決を遅らせ、最悪の事態につながってしまった―と。悲しいかな、現在の日本はいつも最悪の事態が起きてからでないと動けない国のようです。余談ですが、毎日新聞社は電磁波問題に真剣に取り組んでいるように感じます。「電磁波なび」もマスコミ各社には到底及ばない小さな音ではありますが、これからも警鐘を鳴らし続けていきたいと思います。
   
携帯電話事業者4社、電波の生体への影響における実験の中間結果を発表
  (2005年4月26日 日経新聞社 URL
 
携帯電話事業者4社(株式会社NTTドコモ、KDDI株式会社、ボーダフォン株式会社、及び株式会社ツーカーセルラー東京)は、2002年11月より携帯電話システムの電波の生体への影響について共同で検討を進めてきた。その一環である細胞実験について中間結果を発表した。内容は「電波は生体へ影響を及ぼさないということが科学的に確認できた」というもの。また、「細胞の増殖に関連する遺伝子にも携帯電話の電磁波は影響しないとの説を再確認した」とも述べている。

今回の実験は、電波の影響の有無を明確にするため、電波強度を携帯電話基地局の電波に対する防護指針値と同レベルから10倍相当までの範囲が対象とのことです。さらに「異なる特徴を持つ4種類のヒト由来の細胞(子供由来の比較的若い細胞を含む)を用いている」こと、「現在解明されているヒトの遺伝子約40000個のうち、生体の中で共通に働いているほぼ半数の遺伝子を評価したこと」が特記されています。なお、今回の実験を依託されたのは、株式会社三菱化学安全科学研究所。まあね、三菱さんも携帯電話作っているしね・・・なんてつまらないことを邪推してしまうのはここだけの話として(^-^;

実験結果は、弘前大学医学部の宮越順二教授に医学・生物学的側面から、また、北海道大学工学部の野島俊雄教授に工学的側面から検証されているそうです。正確性に問題はないんだぞ!という携帯電話各社の主張ですね。ちなみに、今回の実験の詳細な結果については、6月19日から24日にアイルランドのダブリンで開催される、生体電磁波学の国際的学会「Bioelectromagnetics, 2005」にて発表予定、国際学術論文誌『BEMS Journal』に学術論文として投稿とのことです。
   
東京都知事宛に都電の携帯解禁関する要望書を提出
  (2005年3月31日 ガウスネット URL
 
市民団体ガウスネットらは、石原慎太郎東京都知事らに「都電内での携帯電話使用ルールに関する要望書」を提出した。これまで都電では、携帯電話の電源はオフにするルールが採られてきたが、4月1日から「優先席付近では電源オフにし、他の場所ではメールは送受信可能」というJRなどの関東鉄道各社と同一のルールとなった。要望書の中でガウスネットらは「都電は理想的なルールを採用していた。今回のルールの『後退』は非常に残念」とし、ルールの再考するよう求めている。

都電荒川線は、東京都交通局による路面電車で、三の輪橋から早稲田までの12.2kmを走行しています。今回この要望書を提出したのは、ガウスネットのほか、バスから地域交通を考える会、全国鉄道利用者会議、市民科学研究室らの4団体とペースメーカー装着者の林氏。石原都知事のほか、東京都交通局長、東京都交通局電車部長、東京都交通局荒川電車営業所長にも同文書を送付しているそうです。電車内での携帯電話使用を禁ずる法はありませんが、都電だけではなく、鉄道会社各社に良心のある対応をしてくれるよう望みます。
   
第3世代携帯基地局急増、住民とのトラブル全国で多発
  (2005年3月27日 毎日新聞社 URL
 
動画のやり取りも可能な第3世代携帯電話(3G)の基地局急増に伴い、住民と携帯電話会社間のトラブルが全国で少なくとも200件以上起きていることが、市民団体電磁波問題市民研究会の調べで分かった。基地局から放射される3Gのマイクロ波(電磁波の一種)は人体への影響がより強いとの研究報告があり、住民が健康被害を訴えるケースも出ている。このため国に設置規制などを求めようと、京都弁護士会は今月中にも、日本弁護士連合会に要望書を提出する。電磁波を巡っては、これまで家電製品や送電線なども問題になった。電磁波問題に取り組む弁護士を中心に、京都弁護士会がプロジェクトチームを結成。基地局の設置場所規制や住民への説明会を義務付けるなどの措置を国に提言するよう求める要望書を日本弁護士連合会に提出する。

2004年12月現在、基地局は全国に8万5729局もあるそうです。以前からたびたび電磁波なびでもお伝えしてきましたが、携帯電話会社と地域住民側とのトラブルは世界的な問題。日本でも42都道府県各地に広がっています。一部の地方自治体が条例などで基地局設置について規制している場合もありますが、国はまったく規制していません。京都弁護士会の電磁波問題プロジェクト座長の山崎浩一弁護士は「安全性の検証が追いついていない現段階では、基地局の設置場所については慎重な姿勢を取るべきだ」と話しています。まったくそのとおりで、一刻も早く国が現状を認識し、これまでの遅れを取り戻すべく素早い対応をしてくれることを望みます。
   
携帯電話の放射線量は基準よりかなり低い/フィンランド
  (2005年2月21日 ITmediaモバイル URL
 
最も人気の携帯電話モデル一部についてフィンランドで調査を行ったところ、これら携帯電話の放出する放射線量は許容上限を大幅に下回り、メーカー各社が公表しているデータとほぼ一致することが判明した。調査の結果、これら対象端末はすべて、電磁波吸収率(SAR)が欧州の許容基準である1キログラム当たり2ワットを大きく下回ることが分かった。このレベルなら頭部の組織の温度が大幅に上がることはないし、その他の悪影響も科学的に立証されなかったと調査機関は述べている。また、これまでに調べた28機種はすべて、SARのレベルが1キログラム当たり0.45〜1.12ワットだったという。

この調査はフィンランド放射線および核安全局(STUK)が行ったもので、具体的にはフィンランドのNOKIA、米Motorola、韓国のSamsung Electronicsなどの機種が対象となりました。STUKは声明文の中で「携帯電話のマイクロ波放射が細胞の機能に小さな変化を引き起こす可能性があると示されているが、携帯電話の放射線が健康に及ぼす影響を結論づけるには不十分だ」と記しています。先月、英国放射線防護庁が8歳以下の子供に携帯電話の使用を警告する内容のレポートを発表したばかりですが、ある意味それに反論する形の調査結果ですね。確かに電磁波が健康を脅かすという明確な証拠はありませんが、電磁波が健康を脅かさないという証拠もありません。もちろん最終的には個人の判断になりますが、自己防衛策は知識として持っておくべきではないでしょうか。
   
内部障害者への理解と支援を
  (2005年2月10日 公明新聞 URL
 
「首相はこのマークをご存知か」。2日の衆院予算委員会で井上義久政務調査会長は、内部障害者であることを表す「ハート・プラスマーク」を掲げて小泉純一郎首相に問い掛けた。内部障害者とは「身体内部に障害を持つ人」のことで、内臓機能の障害により身体障害者手帳の交付を受けた人を総称している。しかし、聴覚障害や視覚障害に比べて、内部障害については社会的認知が低く、その言葉すら知られていないのが現状だ。日常生活では、障害者用の駐車スペースを利用したら警備員から注意を受けたり、電車やバスの優先席に腰掛けたら周囲から冷たい目で見られたり、誤解に基づく辛い思いを数多くの人が経験しているという。例えば、携帯電話などから発する電磁波は、心臓ペースメーカーを埋め込んでいる内部障害者にとっては生命にかかわる“大敵”だ。バスや電車などでは携帯電話の電源を切るよう注意を喚起するアナウンスが流されているが、どれだけの人が実行しているだろうか。

「ハート・プラスマーク」というのは、視覚的に内部障害者の存在を示すために内部障害者とその家族が作成したもの。外見からは分からない「見えない障害」であるゆえに、内部障害者は、社会の無理解の中でさまざまな困難に直面しているそうです。予算委員会で井上政調会長がマークを紹介しながら「政府も企業も内部障害者に対する温かい理解と何らかの支援を行うべきだ」と強く訴えたのに対し、細田博之官房長官は、「国民の多くが認識し、温かい手を差し伸べていただけるよう、政府広報を通じて企画を充実していきたい」と答えました。電磁波だけが問題視されているわけではありませんが、政府だけでなく、私たち一人ひとりが認識と行動を振り返ってみるべきかもしれませんね。
   
携帯電話「8歳未満は使わせないで」英専門機関が警告
  (2005年1月13日 朝日新聞社 URL
 
8歳未満は携帯電話を使わないで――。電磁波が体に与える影響を調べている英国の専門機関が11日、警告を発した。頭蓋骨の発達が未熟な子どもは、聴覚や脳の神経の病気にかかりやすいとの指摘を踏まえたもので、携帯電話と発病との因果関係を立証する確たる証拠を突き止めるには至っていないが、保護者らに予防的対応を求めている。警告を出したのは、英保健省の管轄下にある独立研究機関である放射線防護局(NRPB)。3〜7歳の使用は「妥当でない」とし、8〜14歳については、保護者の判断にゆだねるとしながらも、通話時間はできるだけ制限し、メールの使用をすすめている。

この警告は「スチュワート・レポート」の2005年最新版で発表されました。「スチュワート・レポート」とは、ウィリアム・スチュワート氏を筆頭とした英国政府の携帯電話審問委員会の活動の一環で、2000年にも同様の調査報告を行っています。また、NRBPは上記のほかに、以下の取り組みも推奨しています。
  • 携帯電話と基地局の人体への影響に関する最新情報の積極的な公開
  • 基地局の設置計画に関する独立した調査の実施
  • マイクロセルとピコセル実装に関する法的規制および法的責任の明確化、および情報公開
  • 第3世代(3G)携帯電話向け基地局アンテナが及ぼす影響の調査
  • 各種携帯電話のSAR(Specific Absorption Rate)値に関する積極的な情報公開
  •    
    「携帯の電磁波がDNAにダメージ」と欧州の研究者
      (2004年12月21日 ITmedia URL
     
    欧州連合(EU)から出資を受けて実施された新たな研究で、携帯電話が発する電磁波は実験室環境において、体細胞に悪影響を及ぼし、DNAを傷つけることが示された。研究者らが12月20日に発表した。この研究プロジェクトはドイツの研究グループVerumの調整の下、4年がかりで実施されたもの。実験室内で電磁波が体細胞と動物細胞に与える影響が研究された。実験では、典型的な携帯電話の電磁場にさらされた細胞で、1本鎖DNAと2本鎖DNAの破損が大幅に増えた。「その後の世代の細胞にも損傷が残った」とプロジェクトリーダーのフランツ・アドルコファー氏は語っている。つまり、変異が再現されるということで、変異細胞はガンの要因になり得ると見られている。

    今回の研究で使用された電磁波のSARレベル(人体組織に吸収される電磁波のエネルギー量を表す基準値)は0.3〜2W/kg。ちなみに大半の携帯電話のSARレベルは0.5〜1W/kgです。このショッキングな研究結果に対し、アドルコファー氏は「パニックは起こしたくないが、注意するに越したことはない」とも語っています。余談ですが、世界の携帯電話ベンダー大手6社からは、この研究結果に対するコメントは得られなかったとか。現在のところ携帯電話業界は「電磁波が健康を脅かすという根拠は何もない」としていますが、この主張を覆すことになる日はそう遠くないのかもしれませんね。
       
    携帯電話の電磁波の危険性、解明へ向けた調査が本格化
      (2004年12月6日 WIRED NEWS URL
     
    携帯電話やアンテナ塔が出す電磁波の影響を調べている研究者たちは、主に携帯電話の使用と脳腫瘍との関係、携帯電話の電磁波が血圧に及ぼす影響、幼児期のガンと基地局との距離の関係などを取り上げてきた。一方、最近の研究では、いわゆる「電磁波過敏症」の科学的根拠などを検証する傾向が見られる。これは、頭痛や倦怠感など複数の症状を引き起こすとされ、携帯電話やアンテナ塔に接近することで発症すると一部で考えられている。

    世界保健機関(WHO)は現在、「国際電磁界プロジェクト」を進めており、2007年には電磁波の健康へのリスク評価を完了する予定だ。同プロジェクトでは、携帯電話が発する電磁波を含む周波数300GHzまでの電磁界が人体に及ぼす影響を調べている。また、電磁波の規制強化を訴える活動団体「ワイヤレス技術の影響に関する審議会」のリビー・ケリー会長は、医療当局は携帯電話やアンテナ塔の危険性を過小評価しているとの見解を示した。

    携帯電話の電磁波と健康に関する、2004年12月現在の状況をまとめた記事です。今行われている具体的な研究例も挙げてあります。

    英国エセックス大学心理学部のフォックス教授が4000人を対象に調査を行なったところ、頭痛など特定の自覚症状があり、原因は電磁波の影響だと回答した人が約6%いたそうです。先月から始まったプロジェクトの第2段階では、電磁波に特別敏感だと考えている人とそうでない人を比較するテストを行なっているとのこと。

    また、ロンドン大学キングズ・カレッジを拠点とする別の研究プロジェクトが、120人を対象にテストを行なったところ、被験者の半数は自身のことを「電磁波にとりわけ敏感だ」と考えているという結果が出たそうです。ただ、研究に協力してくれるボランティアについて「携帯電話の電磁波に敏感だと自覚しているような人は、携帯の電磁波に身をさらすテストへの参加には慎重になりがちだ」と研究員は語っています。うーん、確かに研究は早急に進んで欲しいですけれど、自分が被験者になるのは二の足を踏んでしまいますよね(^-^;

    ともあれ、携帯電話が本格的に普及してから約10年経ちました。全容解明するのはいつになるか分かりませんが、日本も他国に遅れを取らず研究を進めて欲しいものです。
       
    テラヘルツ波研究会を発足/岩手
      (2004年12月3日 毎日新聞社 URL
     
    西沢潤一氏が開発したテラヘルツ波の発振技術を岩手の産業の発展につなげようと、県立大、岩手大、岩手医大研究者らが発起人となった「テラヘルツ応用研究会」が4日、盛岡市内で設立された。X線などの放射線と異なり人体への影響がほとんどないことから、医療や農業分野での応用が期待されている。正常な細胞とがん細胞を見分ける新たな検査方法として注目されているほか、将来的には周波数を操作することでがん細胞の治療にも応用が可能と言われる。

    テラヘルツ波というのは、「電波」と「光」の中間に存在する特殊な電磁波です。がんの原因になる可能性を指摘されている電磁波ですが、逆にがんを治療してしまう(かもしれない)良い電磁波も存在するのですね。米国では国を挙げてテラヘルツ波の研究を行っているようですが、日本ではまだまだこれからの分野。「健康に役立つ電磁波」の国内での研究成果に期待します。
       
    送電線によるがんリスク報道で混乱
      (2004年11月7日 Independent Online URL
     
    「送電線の近くで生活している子供は、がんの危険性が高まる」とSky Newsが報道したことにより、国際的に混乱が生じている。この調査はジェラルド・ドレーパー博士を中心としたオックスフォード大学の小児がん調査チームが行い、「頭上の送電線から100メートル圏内に住む子供は小児がんのリスクが2倍になる」可能性を示唆したという。また、この調査報告を英国政府が3年間隠蔽していたとSky Newsは主張した。しかし、ドレーパー博士はこれを否定。小児がんになる可能性は低いと強調している。

    先日、電磁波トピックスでも取り上げたSky Newsのスクープに関する続報です。「送電線により小児がんの危険性はまったくない」というわけではないものの、報道の内容と実際の調査結果は異なっていたようです。とりあえず「小児がんの発生リスクが2倍」という大変な結果ではなかったということで、少しだけホッと・・・していいのかな。(^-^;
       
    送電線ががんとの影響あり/英国
      (2004年10月29日 Sky News URL
     
    送電線によって小児がんの発生リスクが2倍になるとの報告を、英国政府は3年間にわたり隠蔽してきたことがSky Newsの調査で明らかになった。英国厚生省へ提出された研究報告では、頭上の送電線から100メートル圏内に住む子どもは、小児白血病にかかる可能性が高くなる。政府当局は3年前にこの報告を受けていたにも関わらず、国民には知らせずに放置していた。

    3年間も無視され続けた研究報告書は、英国オックスフォード大学の小児がん調査チームにより提出されたそうです。小児がん発生リスクが2倍になるとは大変な問題。どこの国にも「臭いものには蓋をしろ」的な体質はあるものですね。悪い結果こそ国民に素早く公開するべきだと思うのですが・・・。それにしても、海外には電磁波の危険性を示唆する報告が沢山存在するにも関わらず、国内ではほとんど例がないことが不思議でなりません。日本政府も力を入れて電磁波問題に取り組む時期なのではないでしょうか。
       
    携帯電話によるがん発病の危険性が再び高まる
      (2004年10月13日 Microwave News URL
     
    携帯電話は結局のところがん発病の危険性を招いているかもしれない。スウェーデンのストックホルムにあるカロリンスカ研究所の疫学研究者は、携帯電話によって聴覚神経の異常―聴神経腫瘍―が引き起こされる可能性があることを明らかにした。聴覚神経は携帯電話を通常使用している間、電磁波に被曝する。少なくとも10年間携帯電話を利用してきた人は聴神経腫瘍にかかる危険性が通常の2倍に上がる。この結果は、カロリンスカ研究所のマリア・フェイティング博士とアンダース・アルボン教授らのチームによって示され、10月13日のストックホルムでの記者会見によって公表された。ちなみにアルボン教授は同研究所の副所長を務めている。

    「聴神経腫瘍」は、聴神経から発生する良性の脳腫瘍です。良性のため、腫瘍が急激に大きくなったり、他の臓器に転移したりすることはないそうですが、治療が遅れた場合、顔面マヒや歩行障害などをきたし、最終的には命に関わる可能性があるとのこと。携帯電話使用における危険性は、過去に何度も取りざたされてきましたが、今回示唆された聴神経腫瘍の発生率が「2倍」に跳ね上がるという可能性も、とても軽視できない内容ですよね。今後の調査の行方も要チェックです。
       
    運用しないまま携帯の鉄塔撤去/いわき市
      (2004年10月6日 朝日新聞社 URL
     
    携帯電話用の基地局として福島県いわき市鹿島町に建設されたNTTドコモ東北の鉄塔の撤去作業が5日、始まった。電磁波への不安を訴える住民の反対と、鉄塔によるテレビの受信障害の解決にめどが立たないのが撤去の理由。運用されないまま基地局の鉄塔が撤去されるのは東北では初めてという。鉄塔は2000年9月に、鹿島地区の半径1キロをカバーする目的でドコモ東北が建設した。しかし、健康不安を訴える周辺住民が運用開始に反対し、鉄塔の撤去を求めていた。

    福島県いわき市のNTTドコモ東北携帯鉄塔の撤去が、この度やっと実行されました。電磁波問題市民研究会の会報誌によれば、建設が完成した基地局鉄塔が撤去されるのは、日本では4番目のケースだそうです。詳細はこちら

    ドコモ側は、撤去理由のひとつである「テレビの電波障害を解消する受信フィルター」を地元住民に配付するつもりだったそうですが、元々反対していた住民に突っぱね返されたようですね。ところで、撤去された鉄塔の建設費は、およそ8千万円だとか。さすがは大企業ドコモ、無駄金の額も半端じゃないですね。(^-^;
       
    携帯基地建設、住民反対で困難に/福山市
      (2004年9月18日 中国新聞社 URL
     
    広島県福山市にKDDIが計画中の携帯電話基地局の建設に、住民団体が反対している。 同社広島エンジニアリングセンターは「健康に悪影響を及ぼす証拠は認められない」と説明してきたが、地区住民は「携帯電話の基地局反対内海町の環境と健康を守る会」を結成し、「電磁波による人体被害への不安はぬぐえない」と反発。 同センターは「住民の反対もあり、この地区での建設の可能性は低くなった」とし、町内の別候補地で計画を進める考えを示した。守る会の段上茂会長は「今後も建設候補地の監視を続けていきたい」としている。

    問題の基地局は、福山市内海町南地区に建設される予定だったそうです。KDDI側は「電波の強さは国の指針以下」としていますが、建設予定地とされた場所は、民家との距離がわずか15メートルしかなかったとのこと。地区住民の不安は当然ですよね。南地区での基地建設計画はなくなりそうですが、他所にしわ寄せがいく可能性があり、まだまだ油断は禁物。「あっちがだめならこっち」と、たらい回しを始めなければよいのですが・・・。
       
    最新器具や試食会でガスPR/大分
      (2004年9月12日 毎日新聞社 URL
     
    プロパンなどLPガスの県内での販売50周年を記念した感謝祭が、大勢の家族連れでにぎわった。LPガスは1955年ごろから販売を開始。現在、県内全世帯数の約87%にあたる41万2000戸が利用。最新器具の紹介のほか、ガスで炊いたご飯やパンケーキなどの試食会もあった。主催した県エルピーガス協会の安部康男専務理事は「ガスは発熱率がよく、電磁波を出さないなど長所も多い。環境にも、使う人にもよいことをもっと知ってほしい」とPR。

    電気と比較されることが多いガスの話題です。ガス漏れや火の使い方などに気を配りさえすれば、ガスは電気よりもずっと健康面でのリスクは少ないですよね。特に使用頻度の高い調理器具は、身体に影響しないものを選びたいところ。最近では「魚を焼いた直後にパンを焼いてもにおいが移らないガスグリル」なんていうものもあるそうです。う〜ん、すごい!
       
    電磁界の健康への影響、「危ない」証拠ない−変電所計画で専門家が講演会 
      (2004年9月5日 毎日新聞社 URL
     
    中国電力鳥取支社が所有地に計画する変電所建設計画に絡み、「電磁界の健康影響に関する講演会」が4日、市総合福祉センターで開かれた。国立保健医療学院の大久保千代次氏は「ゼロリスクはありえない。どの程度のリスクか情報を共有することが大切」と話すにとどまり、建設に反対する住民団体の松本龍郎代表は「変電所建設について具体的な話がなく、指針にならない」と残念そうだった。

    今回の講演は鳥取市が企画し、市民ら約120人が参加したそうです。住民団体が問題視している「送電線などからの超低周波電磁波」については、WHO(世界保健機関)の見解が示される来秋まで先送りになるとか。約一年後ですか。鳥取市の変電所建設問題は、まだまだ決着がつきそうにありませんね。大久保氏は「電磁界が危ないという証拠はない」とおっしゃっていますが、いざ証拠が見つかった時には、すでに手遅れになっていたりして・・・。
       
    半導体工場の安全性 - ガン発症率との関連を究明する調査実施へ
      (2004年8月20日 MYCOM PC WEB ニュース URL
     
    米半導体工業会(SIA)は、半導体製造工場などで働くことが、ガン発症の危険性を高めることがあるかについて、詳しい調査を実施するための提案を広く募集し、究明に向けた本格的な調査プロジェクトへと乗り出す方針を明らかにした。同会のジョージ・スカリーゼ会長によれば「1960年代後半から現在に至るまで、米国内の半導体製造工場などで働いた20万人以上を対象にして、調査が実施されることになる」とのこと。

    米半導体工業会(SIA)のプレスリリースはこちら。半導体製造工場の社員の間でガン発症率が高まっているのではないかとの疑惑は、過去に英国や米国のいくつかの研究機関により指摘されていますが、いまだ明確な関連性は見出されていません。しかし、統計上は通常よりガン発症率が高いという調査結果も出ています。今回の疫学調査は、2005年3月までに調査チームを立ち上げ、調査終了まで3年から5年程度かかるという大規模なもの。電磁波に関しても何らかの影響があるのではないかと推測しているのですが、いずれにせよ、原因が今度こそ究明されることを期待します。
       
    計画見直し要望へ 中電変電所建設問題
      (2004年8月13日 日本海新聞社 URL
     
    鳥取市議会の企画福祉委員会が鳥取市役所で開かれ、中国電力が計画している変電所建設について、建設に反対している遷喬小PTAなど四団体と意見交換を行った。各団体からは「全面的に変電所を反対しているわけではない。学校のすぐ近くでの建設が問題」などの意見が出された。同委員会はこの日の意見交換会などを踏まえ、中電に対して変電所の建設計画の見直しを強く要望していくことを確認した。

    以前から問題になっていた鳥取市変電所建設計画の続報です。中国電力は将来的な電力不足を解消するため、鳥取市中心部に新たな変電所をたてる計画をしており、予定地が小学校に隣接することから地元住民の間で反対の声があがっていました。過去の記事はこちら

    第一報から4ヵ月以上経過したにも関わらず、地元住民が納得できる説明をしない中国電力には呆れるばかりです。地元住民の意見を無視して変電所を建設したとなれば、中電への信頼は更に失われること必至ですね。すでに1万6000人分の署名が集まったとのこと、事態が好転することを願ってやみません。
       
    Suicaの電磁波は安全か JR東日本からの回答にデータ捏造疑惑!?
      (2004年7月 食品と暮らしの安全基金 URL
     
    市民団体の食品と暮らしの安全基金は、東日本旅客鉄道株式会社(以下JR東日本)に対し「改札にあるSuicaの読み取り機からの電磁波が、15cm離れても国際ガイドラインを超えるほど強い値である」などの問題を指摘、回答を求めた。

    これに対しJR東日本は、具体的なコメントは避け、「実際にお客さまがSuicaを使用し改札機をご利用になる場面での電磁波測定」をしたところ、ガイドライン以下だったので「健康影響について問題ないレベルである」と答えた。

    同基金は「具体的な測定条件が書かれていないので(JR東日本の)データは無意味」「科学的に間違っている箇所がある」などの問題点を再度挙げ、「再度質問状を送り、適切な要求をしていく」と表明した。

    非接触型ICカードであるSuicaは、定期券の機能だけではなく、駅構内の売店や本屋などで、プリベイドカードとして利用できるようになりました。将来的には、もっと多くの場所でSuicaでの支払いが可能となるでしょう。食品と暮らしの安全基金も懸念していますが、読み取り機と私たち利用客の距離は、物理的に今まで以上に近付く可能性があります。

    JR東日本をはじめ各鉄道会社は、電車内での携帯電話の使用に対して、乗客にマナーを守るよう働きかけています。これは評価すべきことですが、他人任せにできない自社の安全対策にも、もう少し真剣に取り組んでいただきたいですね。
       
    英国議会の委員会が携帯電話の鉄塔建設に関する包括的合意抹消を要求
      (2004年7月23日 Microwave News URL
     
    英国議会の携帯電話に関する超党派委員会は、最新の報告書「Mobile Phone Masts」のなかで、「携帯電話の鉄塔はしかるべき計画プロセスを経るべきであり、いかなる包括的合意もあってはならない」等の勧告を行っている。委員会によればこの勧告は、2000年春に発行された携帯電話と健康に関する報告書内でのスチュワート委員会勧告を引き継いだもの。

    同委員会の委員長であるフィル・ウィリスは「(我々の)リポートは現在の通信計画の組織がきわめて問題であり、また携帯電話産業の自発的な行動規範が一貫していないために、計画決定段階でひとびとに懐疑を生み出している」と述べ、「勧告は政府所管の産業および地方行政当局に関する『大きな挑戦』を意味する」と付け加えた。

    最新の報告書「Mobile Phone Masts」の原本はこちら。19の勧告が記載され、携帯電話鉄塔建設に関する計画見直しが強い論調で主張されています。日本でも香川県や熊本県で携帯電話の鉄塔建設が住民訴訟へ発展していますが、英国でも事態は同様です。地域住民との合意を進めるための会議開催や、鉄塔建設前の電磁波漏洩シミュレーション、需要調査などを積極的に行い、鉄塔建設の可否を多角的に検討してもらいたいものですね。
       
    携帯電話は不妊の原因に?=電磁波が精子減らす−英紙
      (2004年6月27日 時事通信社 URL
     
    携帯電話を常に持ち歩く男性は、そうでない男性より精子の数が最大で30%少なく、子宝に恵まれる可能性が減っているという研究結果がこのほど明らかになった。27日付の英紙サンデー・タイムズが報じた。

    携帯電話から出る電磁波が男性の生殖能力を損ないかねないことが示されたのは初めて。それによると、携帯電話をベルトのホルダーやズボンのポケットにいつも入れている男性は、リスクが最も大きい。携帯電話をかばんに入れ、体から遠ざけるよう忠告される日がいずれくるのではないか、と同紙は伝えている。 

    元のニュースソースはこちら(サンデー・タイムズはログインが必要なのでsky.comを参照しました)。ハンガリーのセゲド大学による調査研究論文が発信元になります。いままでの携帯電話の悪影響を示す研究と一線を画しているのは、携帯電話端末が待機状態でも悪影響をおよぼすという点。今後、各界に波紋を広げそうですので、電磁波なびとしても要注目です。
       
    世界保健機構(WHO)が小児の電磁波被曝に関するワークショップ開催へ
      (2004年6月 WHO EMF PROJECT URL
     
    世界保健機構(WHO)は6月9日、10日の2日間、トルコのアンカラで小児の電磁波被曝に関するワークショップを開催する。同ワークショップは、小児の神経系、免疫系等の身体器官が発達する過程において電磁波が有害な影響を及ぼすかどうかについて検討する予定だ。

    このワークショップは国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)、米国の電力研究所(EPRI)、スウェーデンの放射線防護委員会(SSI)等の国際的な電磁波研究機関が後援しています。ワークショップの検討結果はWHOのサイトにアップされるそうです。期待しましょう。

    なお、同ワークショップはトルコのガージー大学医学部とWHOの共同運営になります。ガージー大学医学部の電磁波関連ページはこちら